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海女/海士
お酒のつまみや夕食に、味わい深い海の幸。これらのアワビ・サザエ・伊勢エビなどの魚介類や、海藻・真珠などの海産物を水中に潜って採るのが、海女や海士の仕事です。女性を海女、男性を海士と書きますが、どちらも「あま」と呼びます。水深十何メートルもの海に潜る海女たち。この職業には、体力と経験が必須です。
海に囲まれている日本。ゆえに、海女は全国各地に存在します。特に従事者の多い県としては、三重県、千葉県、長崎県、岩手県、徳島県、静岡県など。漁の方法でポピュラーなのは、数名の海女が一艘の船に乗りこんで漁場までゆき、飛びこんで一人で潜水作業をする形式です。これらの場合はオモリを使わず、水深3〜7メートルの磯場を潜ります。午前と午後に1回ずつ、それぞれ1時間から2時間の作業。海底から浮上したとき、身体に負担をかけないため「ヒューッ」という口笛のような音を出して呼吸を整えます。海女が使う道具は、アワビを磯からはがすための磯ノミ、潜水用メガネ、獲った獲物をいれる磯桶などで、手ぬぐいや磯ノミの柄に魔除けのお守りなどをつけることもあります。現在は足ひれやウェットスーツなども使用されていますが、乱獲を防ぐため、ウェットスーツの使用に制限を加えている地区もあるようです。
海女・海士になるには、地元の漁業協同組合員か海女組合員になることが必要です。近辺で育つか、結婚して地域住人の家族になり、組合の株を購入したりして漁業協同組合員になります。約1年間の見習期間を過ごしたあとで、やっと一人前になるといわれています。また体力的な必須条件として、心臓が強いことや息が長いこと、視力がよいことなどがあげられます。
海女、海士の仕事は、千年以上の歴史をもつ、日本の伝統的な職業。地域によっては、天皇や神社に献上する海産物を採取していた由緒ある役目もになっていましたが、近年は労働条件の厳しさゆえに後継者が少なく、高齢化も進んできています。昔は海もきれいで資源も豊かだったので一日50万円近くかせいだ海女もいたそうですが、現在では一日に数時間潜って、お金にして4〜5万円くらいの成果が普通です。資源保護のため、県の規則や漁協の取り決めによって出漁日数が決まっているので、女性であれば主婦と、男性であれば漁師と兼業している人がほとんど。けっして将来性にあふれる職業とはいいがたい部分もありますが、日本の文化に根づいた伝統漁法として、今後の存続が求められます。